[レポート] Generating value with AI (Cloud AI 基調講演) – Google Cloud Next ’20: OnAir  #GoogleCloudNext

[レポート] Generating value with AI (Cloud AI 基調講演) – Google Cloud Next ’20: OnAir #GoogleCloudNext

Clock Icon2020.09.07

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こんにちは、Mr.Moです。

現在、2020年7月14日から9月8日までの数週間にわたってGoogle Cloudのデジタルイベント『Google Cloud Next ’20: OnAir』が開催されています。

当エントリでは、その中から「Cloud AI」シリーズのセッションとして公開された『Generating value with AI (Cloud AI 基調講演)』の内容をまとめてみたいと思います。(独自の解釈なども含まれると思いますのであらかじめご了承ください)

はじめに

今年は激動の年となりました。それゆえ、ビジネスにおいても課題がより明確になってきており、企業はより良い改善に向けてフォーカスを当ててきています。そこでAIの出番です。AIはいま、重要な時期を迎えていると言えます。とある研究では2025年までにAIを取り込んだ企業は2030年に世界経済を支配すると発表しています。90年代にWebに従事するチームが作られていったように、AIに従事するチームがますます増えていくでしょう、そうなるとどうやってAIを装備するかがさらに重要になってきます。そして、AIの価値を真に引き出すためには、まずテクノロジーではなく、ビジネス上の問題に焦点を当てる必要があります。すべての組織はこれからの10年でAIによって大きく変わっていくことでしょう。

では、Googleは何に着目して行っていくのか。大きく下記の2点をあげています。

  • 企業の一般的な問題をAIで解決する
  • 各企業が抱えている独自の問題もAIで解決する

1つ目は、企業が直面する一般的な問題を解決することです。コンタクトセンターで優れた顧客サービスを提供したり、文書の多いプロセスに対応したりするなど、業界全体に共通する問題である可能性もあります。2つ目は、独自の問題を解決するために最適なAIソリューションを構築できるようにすることです。

Googleのサービスを検討すべき理由3点

まず、Googleのサービスを検討すべき理由は3点あるとGoogleは言っています。

  • Google Researchを通じたAI研究と、Google製品を通じたAIの実用化の両方において、業界でリーダーシップを発揮している。
  • GoogleフォトやGmailなどの製品で、GoogleのAIを本番環境に導入してきた実績と経験を持っている。
  • 最優先事項である企業との信頼関係。そのため、GoogleではAIの原則を通じて責任あるAIにおいてリーダーシップを推進している。

AIソリューションサービス

Contact Center AI(CCAI)

  • チャット用のエージェントアシストを開始
  • カスタムボイス作成機能の追加
  • Dialogflow CX(NEW, Beta)

Googleが誇る会話型AI、自然言語処理のテクノロジーをコンタクトセンターに活用すると顧客体験と業務効率を同時に向上させることができます。各プロバイダー(Avaya、Cisco、Genesys、Twilio、Five9など)と完全に統合しており、チャット用のエージェントアシストも開始しました。さらにカスタムボイスを作成する機能も発表しています。
そして、CCAIの中核となる技術であるDialogflowの新しいバージョンDialogflow CXも登場しました。大規模なコンタクトセンターを持つ企業向けに最適化されており、複雑な会話アーキテクチャをサポート。Dialogflow CXはこの分野の最先端テクノロジーと言えます。

Recommendations AI、Document AI

  • Recommendations AI(小売業向け)
  • Lending DocAI, Procure-to-Pay DocAI(金融業界向け)

時には業界固有のニーズというのも存在しているので、業界に特化したソリューションを検討する必要があります。 そこで例えば需要予測、商品検索、レコメンデーションなど、7月にはRecommendations AIも発表しており、小売業を強力にサポートします。
また、金融業向けにおいては新しくLending DocAI, Procure-to-Pay DocAIの2つのソリューションサービスを発表しています。Lending DocAIでは金融機関がより迅速かつ効率的に住宅ローンを処理できるように提供されており、Procure-to-Pay DocAIは請求書や領収書をはじめ、さまざまな形式の文書を取り込み、きれいに構造化されたデータを返します。

独自の問題を解決するために最適なAIソリューション

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ここからは固有の問題についてです。Googleではユーザ固有の問題を解決するためのソリューションを構築できるようなプラットフォームを提供しています。ソリューションを構築する際のチームは機械学習エンジニア、データサイエンティスト、開発者など様々なスキルセットで構成されていることがしばしばあります。Googleでは、これらの状況に対し新しいツールを用意するなど実施しているので紹介しいていきます。

機械学習エンジニアに向けて

  • AI Platform Pipelines(フルマネージド、10月までに利用開始予定)
  • Continuous Monitoring(モデルのパフォーマンスを分析、年内に利用開始予定)
  • ML Metadata Management(デバッグ、監査、9月までに利用開始予定)

機械学習における開発にはモデル構築だけでなく、Ops要素も必要不可欠です。そこでGoogleでは、AI Platform Pipelines、Continuous Monitoring、ML Metadata Managementを発表しています。これにより機械学習に周りのタスクを大規模に整理、共有、提供することが容易になります。今後もGoogleはMLOpsに注力し続けると言っています。

データサイエンティストに向けて

  • AI PlatformにAutoMLを統合(9月末までに)
  • AI Platform Notebooks(Enterpriseレベルのセキュリティ、Hadoopクラスタ管理(Dataproc)、Kaggleカーネル統合)

データサイエンティストや開発者のアジリティを向上させ、AI Platformとの連携を1つの場所で行えるようにしています。これによってAutoMLの統合でノンコードとコードベースの最良の組み合わせが選択でき機械学習モデルをより高品質かつ高速に構築することが可能になります。また、データサイエンティストのための最適なツールをいくつか提供してますが、その中の1つNotebooksサービス。こちらも強固なセキュリティ面、Spark job実行やDataprocのHadoopクラスタ管理など利便性も強化、さらにKaggleと簡単に連携できるようになっています。

開発者に向けて

  • オンプレミス環境でのAI技術展開
  • Media Translation API(リアルタイム音声翻訳)
  • Explainable AI(説明可能なAI)

AI人材を確保するのは難しい、そこでGoogleでは専門知識が無くても機械学習が利用できるよう 事前トレーニング済みモデル(API)やAutoMLを提供しています。 さらに企業の中には規制など大変厳しい組織もあり、そこに対するソリューションを求める企業のためにオンプレミスでAI技術を提供することにも関心を持っている。(Anthosを活用) また、グローバルなユーザーとの有意義な接続を容易にするため Media Translation API(リアルタイム音声翻訳)も既に発表済み。 さらに、機械学習モデルの解釈・説明に対する世の中の関心は非常に高まってきてますが、Googleではこれに対しExplainable AI(説明可能なAI)を発表しました。より信頼あるAI Platformを目指すためExplainable AIに投資を続けていくとGoogleは言っています。

まとめ

技術的な視点というより、具体的なユースケースに対してAIをどう活用するかと言った視点で語られている印象を受けました。また、COVID-19の影響が少なからず全ての業界に広がっていくなかで、その先をGoogleはしっかり見据えているようですね。今後、間違いなくAIを導入する企業は競争上の優位性や先手を打つことができるようになるので、Googleが果たして行く役割はやはり大きいと感じます。 また、機械学習モデルにおける解釈性や説明に対するリーダーシップにも期待が持てる内容でした。

参考

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